皆様ご機嫌麗しゅう・・・
なんか知らんがこんな穏やかな成人式
今日は読んだ本振り返り、昨日の続きです。ちなみに今日は小説です
昨日の記事はこちら
今日ご紹介するのは・・・アイキャッチ画像の
『ある男』(平野啓一郎 著)
です
2018年9月刊行のこの本、出版直後に一度読んだんです。
また再読しようと積読状態だったのですが、この年末ついに再読。
きっかけは・・・
『ある男』の映画化
公式映画サイト https://movies.shochiku.co.jp/a-man/
ブッキー(古いなこの表現)主演のこの映画、とてもいいみたいです。ただ、原作で結構重要な人物がちょい役程度しか出てないのがちと残念です。。。
※ワタクシと同い年なんです。ブッキー良い感じに年とっていて浦山です・・・同い年こだわり、オクサマにはキモがられるのですが・・・
小説版のあらすじはこんな感じです
—原作あらすじ—
愛したはずの夫は、まったくの別人であった。
弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。宮崎に住んでいる里枝には2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。
ある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に「大祐」が全くの別人だったという衝撃の事実がもたらされる……。里枝が頼れるのは、弁護士の城戸だけだった。人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を背負っても、人は愛にたどりつけるのか。「大祐」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。
人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。
引用 『ある男』特設サイト https://k-hirano.com/a-man
このオハナシ、人間関係が複雑なので、映画の特設サイトの相関図が結構役立ちます。
で、初読から4年経って再読してみての感想です
人間存在の根源、いいまとめですね・・・だれにフォーカスするかで感想は変わるかと思います。主人公の城戸なのか、ある男「大祐」なのか、それともその妻だった里枝なのか—
ワタクシ初読のときは、主人公の城戸にフォーカスしてました。
自分が小説の主人公になった感じですかね。
今回再読してみて
物語の視点が、俯瞰に替わってたんです。誰かにフォーカスせず。
そしたら、嫌な奴、いい奴すべての登場人物に、すこしずつワタクシの”分人”がいるなと思ったんですよ。。。
分人という言葉を唐突に使いましたが、
この分人というのは平野啓一郎が提唱している考え方です。
ざっくりまとめると
個人は英語でindividual=分けることができないという意味なんですが、人には様々な”自分”がいて、それはどれも自分の一面であって、本物も偽物もない、つまりそもそも分けられて(=dividual)いる
というような考え方です。
この記事でも書いてましたね。。。この『空白を満たしなさい』も平野啓一郎作品です。ドラマ良かったな。
『ある男』内にはこの思想について言及がないのですが、根底に流れていたんだな。。。
主人公の出自の話や、死刑制度に関する話も出てくるのですが、そういうのも含めてこの作品を改めて好きになりました。
最後の最後にちょっとだけネタバレ
ラスト直前のスマホがらみのあるシーン・・・哀愁というか諦めというか、何とも言えない、この小説の中で一番好きなシーンです。
ええ。。。
何を隠そうワタクシ、
平野啓一郎ファンでしてね。
という訳で明日からワタクシ連休です
また休むの?とか言わないでね・・・では明日はリライトでお会いしましょうノシ